アイドルと私。

「ただいまー！紗莉ちゃん居る？」

シーン…予定より30分早く仕事が終わって今日紗莉ちゃんから家に行くっていう連絡は貰ってたから、急いで帰ってきたのに静まり返った家にはきっと誰も居ない。玄関で靴を脱ぎ、リビングに近づく度にふんわりといい香りが漂ってくる。まさか紗莉ちゃんまだ居るのかな！？と思って、リビングの扉を勢いよく開けたがやっぱりそこには誰も居ない。

「ん？何これ？」

ソファーに荷物を置いて、水を飲もうとキッチンに近づくと、テーブルの上に何やら置いてある。近付いて見ると紗莉ちゃんからのラブレターだ。内容を確認して、冷蔵庫、冷凍庫の中身を確認すると沢山料理が詰められていた。すっご！これ作るのにどれだけ時間掛かるんだろう？お弁当は言われた通り明日食べるとして、軽いおつまみはお酒と一緒に頂こう。でもそれより前に紗莉ちゃんの声が今すっごく聞きたくなった。時間を確認すると22時を回った所で、もしかしたらもう寝てるかもしれない。

「紗莉ちゃん起きてる？」

起きてて欲しい願いを込めてLINEを送れば、

「起きてるよ。お仕事お疲れ様。」

とすぐに返事がきたので、間髪入れずに発信ボタンを押す。