アイドルと私。
「きゃー!聞きました?今の!」

え!?と思って、優衣が声を掛けた方向に振り向くと

「いつからそこに居たの!?」

なんと私の後ろで雅人くんが聞いていて、一瞬にして顔が赤くなった。

「あ、沙莉先輩照れてるんですか?赤くなって可愛いですねー!」

「違う、これはお酒。」

自分でも見苦しい言い訳だなーって思いながらも、シャンパンを煽るように飲む。

「それで?続きは?優衣ちゃんもっと聞いて。」

ニコニコ笑顔で楽しそうな表情で、憎い。

「何を感じて好きだと気付いたんですか?」

「えー、答えなきゃダメなの?」

「勿論です。散々相談にも乗ったじゃないですか。」

そう言われると反論は出来ない。観念したように

「私の前やLINEではいつも元気で明るくニコニコしてて、でも悲しい事があると分かりやすく落ち込んで、一喜一憂が犬みたいな反応で、犬っぽいって思ってたんだけど…歌声や踊りでいつもと違う雅人くんが見れて。ギャップかな…?そういうのにドキッとしたの。」

あー、こんな事言うなんて本当に恥ずかしい。あれもこれももう全部お酒のせいって事で。アルコールと恥ずかしさで一気に体温は上がっていく。
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