アイドルと私。
トークも終盤になった頃、雅人くんは裏に消えて、次の曲の準備でもしてるのかな?って不思議に思ったりもして。でも、その間もトークは続けられ、終始笑いっぱなし。

「えー皆さん、笑ってくれた所申し訳ないですが、次の曲の準備が出来たみたいです!次の曲はなんとまーのソロ曲!このライブの為に書き下ろしました!でもこの歌は幸ちゃんとリーダーも手伝ってできた曲です!それでは…特に紗莉ちゃん!全力で聴いてあげてね!曲名は…"モンシェリー"こちらはフランス語で、日本語に訳すと愛しい人っていう意味!では、音響さん音楽お願いしまーす!」

と直樹くんと言葉が終わった後に、ステージ上は一旦暗くなる。

「って優衣どういう事!?今の直樹くんの言葉は…」

「先輩、落ち着いてください。今からまーが1人で先輩に向けて歌うって事ですよ。」

「え!?なにそれ、そんな事していいの?」

気が動転して、理解は追いつかなくて…それでも必死に理解しようと優衣に聞くけど、優衣の答えも理解出来ない。

「大丈夫です、ここには先輩の信用できる人しか来てないですよね?ほら、もう始まりますからちゃんとまーの事見て、聞いてあげてください。」

メロディがかかり始め、強制的に前を向かされ、とりあえず雅人くんの歌声に耳を向けなきゃと目の前事に集中する。
< 220 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop