アイドルと私。
「もしもし?紗莉ちゃんどうしたの!?
電話くれて嬉しい!」

仕事が終わって早く帰ってくれたのか、思ったよりも折り返しの電話が掛かってきた。

「お仕事お疲れ様!あのね…分かったよ!」

「ありがとう。ん?分かったってなにが?」

どうしよう。なんて伝えよう。何を言えばいいのかな。なんで私は電話しちゃったんだろう。

「あの…仕事!雅人くんの仕事はアイドルでしょ?skyってグループの。」

「お!テレビか何か見たの?」

「職場の後輩が雑誌持ってきてて…それで歌番組も出るって教えてもらったから、今日見たよ。」

「そうなんだ、そうだよ。前俺の職業聞いてきた時は答えなかったけど、アイドルが俺の職業です!どう?かっこいい?」

ちょっとおちゃらけて言うのは、恥ずかしさかな?照れ隠し?

「うん、ビックリした!雑誌だけでは表情が違って見えたから、半信半疑だったけど、テレビ見てあ、雅人くんだ!ってなったよ。それでね?どうして私なのかなって…」

「ん?どうして私ってどういう意味かな?紗莉ちゃんは紗莉ちゃんでしかないけど。」
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