アイドルと私。
「ん?やっぱ緊張してるの?よしよし。」

俺の不安そうな顔を見られて、次は頭をよしよししてくる。

「もう!近いってば!俺にその気は無い!いい加減あっち行け!」

「ちぇっ。連れないのー。」

「こら、直樹いい加減にしなさい。まーから離れてあげなさい。」

「はーい。」

幸ちゃんがやっと間に入ってくれて、直樹がやっと居なくなった。直樹は良い奴なんだけど、俺に構いすぎな所と、くっついてくる所はどうにかならないかな。まぁ心配してくれて、可愛がってくれてるってことは分かってるんだけど…。
まぁやっと直樹が居なくなってくれたから、携帯を見ると、無事に会場には着いたいみたい。

『皆可愛い格好してるね!会場着いたよ、楽しみにしてるね!』

『無事に着いてよかった!俺の事ちゃんと見ててね!』

さて、本番まで後30分。お、やっとリーダーが起きた。紗莉ちゃんがちゃんと俺の事見てくれますように。犬以外の感情を思ってくれますように。紗莉ちゃんが楽しんでくれますように。
段々とボルテージが上がっていくのと同時に、紗莉ちゃんへの想いを抱きながらウォーミングアップを始めた。
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