アイドルと私。
今日の紗莉ちゃんはいつもと全然雰囲気が違って、最初待ち合わせ場所に来た時は気付かなかった。いつもはどちらかといえば、ふんわりとした雰囲気だったのが、今日はカッコイイ中に色気を感じて、俺の男の部分がやばかった。

予約してくれた店は、雰囲気が凄く良くて、俺に気を使ってくれたのか、個室だった。個室っていうのがまたヤバそうになったけど、紗莉ちゃんに嫌われたくないし、まだちゃんと気持ちも伝えてないので、ぐっと堪えて、紗莉ちゃんとの会話に耳を傾けるけど、目は紗莉ちゃんばっかを追いかけて集中出来ない。グラスを持つ手、飲み物が喉を通る時、箸を持つ手、咀嚼する姿、全てが今日の格好の雰囲気と重なって、どんどん色気が溢れてくる。

「紗莉ちゃん、ライブどうだったかな?楽しかった?」

「うん、すっごく良かった。雅人くんがまた違って見えたよ?」

違う?違うって犬じゃなくなった!?

「どう違ったの?」

「格好良かったよ。踊る時、ラップを歌う時、ギャップを感じた。」
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