アイドルと私。
わっ!さっきから恥ずかしい事ばっかり言わされていてもたっても居られない状況なのに、好きって言われちゃった…。そういう聞き方するのは私が以前犬って言っちゃったからだ。だから目は真剣なんだけど、ちょっと不安そうな顔で聞いてくる。どーしよ…ここで見れるって言ったらどうなるのかな?雅人くんの立場や年のことなど、考えれば考えるほどなんて言えばいいか分からなくて、視線を逸らして手元にあるグラスを見つめてしまう…。

「もしかしてまだ早かった…?」

「ううん…」

「じゃあどうしたの?何か思ってる事があったら言って欲しい。ちゃんと聞くし、受け止めるから。」

こんなに向き合って真剣に言ってくれるのを誤魔化してはいけないような気がする。

「ちゃんとね?男として見れるし、その気持ちは嬉しいけど…」

「けど?どうかした?」

グラスに残ってるお酒を一気に喉に流し込んで、

「雅人くんが好きって言ってくれて嬉しいよ。私もね?ライブを見た時に雅人くんの事が好きってなったから。でも…雅人くんは芸能界に居てアイドルがお仕事でしょ?他のアイドルグループとか恋愛禁止だったり、そういうしがらみだってあるでしょ?私は芸能界の事が全く分からないし…それに雅人くんは25歳で、私は32歳で、7歳差もあるよ…?」
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