アイドルと私。
「それに…あ、お代わり頼むけど雅人くんは何か飲む?」

恥ずかしくなってしまい話題を変えようと空いたグラスを指さしながら聞くと

「同じの貰おっかな。」

と便乗してくれた。飲み物のお代わりを頼んで運ばれたグラスの中身を半分ほど飲むと、

「それに?の続きは?」

と先程の話題を振られてしまった。

「ううん、もう言いたい事は言ったかな…」

言いたいことは言えたし改まって聞かれると躊躇ってしまった。

「じゃあ俺も言っていい?あのね、俺は一目惚れなんだよね。ショップで見た時に紗莉ちゃんの笑顔が本当に素敵で、取り繕ってるわけでなく無理して笑ってるわけでもなく、純粋にこの仕事が好きなんだって伝わってくる笑顔で、俺、その笑顔が気になったの。だから連絡先を渡したんだけど…それからもアイドルっていうか芸能界とか詳しくないけど洋服や髪型、メイクには詳しくそういう所もいいなーって。だから笑顔に一目惚れしたけど、紗莉ちゃんと関わるうちにどんどんどんどん好きになっていった。犬って言われた時は、男として見られてないのか…って悔しく思ったけど、そういう考えを持つのも紗莉ちゃんらしいなって。じゃあ俺を男として見られるにはどうしたら見てもらえるかなって、俺のホームに来てもらおうって思って、ライブチケット渡して見に来て貰って。そしたらちゃんと男として見て貰えて、おまけに好きになってもらえたんだよ?」
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