アイドルと私。
「こういったポーチやハンカチはいかがですか?もしくは…ピアスかイヤリング。」

「おっ、いいっすね!じゃあこのポーチください。」

パァっと明るい笑顔になって、ブラウンがかった上品なパープルのカラーに、ちょっと濃いめなパープルの花のアップリケがあしらわれたポーチを指差す。

「こちらとっても素敵なお色味で、中に内ポケットも付いていて、サイズ感的にも持ち運びしやすい大きさとなっておりますので、お姉様も使いやすいと思いますよ。お買い上げありがとうございます。レジの方にお進みいただけますでしょうか?」

って言ってレジの方向に体を向けるとパシッと腕を掴まれて

「お姉さん、お願い。俺これっきりとか嫌だから、また来るから俺の事覚えといて?」

なんて言いながら首を傾げるなんて豆柴そっくり。あざとい、あざとすぎる。けどこの子は私をからかってるだけでしょ?そんなジーッと見られてもいい大人をからかって遊んでるだけでしょ?女心は分かってなくても、このビジュアルなら周りの女の子はほっとかないもん。だから女の子と出会いが無さそうとかでは無いだろうから、私をからかってるに違いない。
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