アイドルと私。
ピンポーンと鳴って、オートロックを解除すると、自宅のインターホンが鳴って、ソワソワしながら玄関に向かう。

「はーい、おはよう!」

「おはよ!紗莉久しぶりー!」

扉が閉まるか閉まらないかのタイミングでギュッて抱きつかれて、ビクッて体が反応した。

「ちょ、雅人くん!?」

「んー?久しぶりだから、ちょっと充電〜」

「1回…1回部屋入ろ!鍵も閉めなくちゃだし!!」

急に抱きつくし、まだ玄関先だっていうのに、離れない雅人くんを1回離れてもらって、鍵を閉めてからリビングに通す。

「お、女の子の部屋〜白とブラウンで統一してあってオシャレだね!お、やっぱクローゼットは大きめだ!ここ来る時ね、紗莉の部屋どんなんだろ?って想像した時に、色は統一してあって、けどクローゼットは大きいんだろうなって思ってたから正解した!凄くない?」

「う…うん。とりあえず座って?」

緊張してるのかな?ソワソワしながら一生懸命に話す雅人くんに落ち着いてもらおうと、ソファに誘導しながらお茶を出す。緊張が伝わってくると、こっちまで更に緊張してくる。あまりバレないように平然を装うとするけど、私だってさっきから心臓が鳴りっぱなしで、ずっと緊張してるんだから。
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