スイーツは甘いだけじゃない
玄関は、一見するとどこにでもある普通のものだ。防犯対策のためドアはツーロックで、鍵があれば外から開け閉めができる。
美緒はツーロックの鍵を外す。そしてドアノブに手をかけ、ドアを押す。普通ならばこれでドアは開くはずだ。だが、美緒が力いっぱい押してもドアは開かない。反対に引いてみても開かない。そう、美緒はこの家から自由に出られない軟禁状態にあるのだ。この部屋に自由に出入りできるのは、美緒の夫だけである。夫が一緒でなければ、美緒は定期検診にすら行けないのだ。
逃げられないことは、もう何度も試してきたのだから知っている。だが、もしかしたら逃げられるのではという思いがふと美緒の中に沸き起こることがあり、こうしてドアをいじってしまうのだ。
「……開かない」
ガチャガチャとドアは音を立てるのみで、開く気配はない。美緒が諦めてリビングに戻ろうとすると、先ほどまでびくともしなかったドアが開く。ふわりと外の新鮮な空気が入り込んできた。
「ただいま〜、お出迎えしてくれたの?嬉しいなぁ」
美緒はツーロックの鍵を外す。そしてドアノブに手をかけ、ドアを押す。普通ならばこれでドアは開くはずだ。だが、美緒が力いっぱい押してもドアは開かない。反対に引いてみても開かない。そう、美緒はこの家から自由に出られない軟禁状態にあるのだ。この部屋に自由に出入りできるのは、美緒の夫だけである。夫が一緒でなければ、美緒は定期検診にすら行けないのだ。
逃げられないことは、もう何度も試してきたのだから知っている。だが、もしかしたら逃げられるのではという思いがふと美緒の中に沸き起こることがあり、こうしてドアをいじってしまうのだ。
「……開かない」
ガチャガチャとドアは音を立てるのみで、開く気配はない。美緒が諦めてリビングに戻ろうとすると、先ほどまでびくともしなかったドアが開く。ふわりと外の新鮮な空気が入り込んできた。
「ただいま〜、お出迎えしてくれたの?嬉しいなぁ」