スイーツは甘いだけじゃない
美緒の頭にも、「おいしい!」と笑う二人の姿しか浮かばなかった。美緒は渉にお礼を言い、真っ直ぐに家に帰る。この後、悲劇が起こるとも知らずに……。
「お父さん、お母さん、これ渉くんと作ったの」
その夜、夕食を三人で食べた後に美緒は渉と作ったケーキを取り出す。ふわりとブランデーの香りが漂うケーキを見て、両親は「すごい」と呟いた。
「美緒がこれを作ったなんて、すごいわね〜。今度、お母さんと作ろっか」
「おいしそうだな〜。いただきます」
二人は美緒を褒め、ケーキを食べ始める。ここまではありふれた幸せなワンシーンだ。だが、その幸せは苦い海に突然飲み込まれることになる。
「ううっ……」
二人は突然苦しみ出し、血を吐き出して倒れる。突然のことに美緒は一瞬でパニックになり、「お父さん!お母さん!」と叫ぶ。
美緒の叫び声を聞いてやって来た近所の人が救急車を呼んでくれたものの、二人は助からなかった。ケーキの中に毒が入っていたらしい。だが、美緒の耳には何も届かなかった。
「お父さん、お母さん、これ渉くんと作ったの」
その夜、夕食を三人で食べた後に美緒は渉と作ったケーキを取り出す。ふわりとブランデーの香りが漂うケーキを見て、両親は「すごい」と呟いた。
「美緒がこれを作ったなんて、すごいわね〜。今度、お母さんと作ろっか」
「おいしそうだな〜。いただきます」
二人は美緒を褒め、ケーキを食べ始める。ここまではありふれた幸せなワンシーンだ。だが、その幸せは苦い海に突然飲み込まれることになる。
「ううっ……」
二人は突然苦しみ出し、血を吐き出して倒れる。突然のことに美緒は一瞬でパニックになり、「お父さん!お母さん!」と叫ぶ。
美緒の叫び声を聞いてやって来た近所の人が救急車を呼んでくれたものの、二人は助からなかった。ケーキの中に毒が入っていたらしい。だが、美緒の耳には何も届かなかった。