溺愛の檻から、逃げられない


もしかして…連れ去られた……?


ぎゅっと手の平を握る。

手が汗ばんできたのが分かった。


怖い。私、何のために…?



まさか…美月を呼び寄せるための人質…?




嫌な予感が頭をぐるぐると駆け回る。


「あれ、大丈夫?」

目の前の男が低音なのに、甘ったるい声で話しかけてきた。


頬を撫でられる。

私はその手を思いっきり振り払った。



< 10 / 122 >

この作品をシェア

pagetop