溺愛の檻から、逃げられない




「逃げようなんてしてないよ。ただ、前の拠点?てところが気になってに行ってみただけ。」
 


「どうかな。君は清田とキスしたしね。信用できない。」



ハッと鼻で笑いながら言う彼には冷や汗が出た。やっぱり見られていたのか。

それに信用できない…って
今まで私をずっとそんなふうに思ってたんだ…



「それに君が居たところなんて何にもないし、俺から身を隠したかったってところでしょ?」



嘘つき。美月をそこに隠してるくせに。

今までも私はこんなふうに彼に騙されていたのかも。最初から彼なんて信じてはいけないと分かっていたはずなのに。



「だんまりか。」


無視を決め込むわたしを見て、私が逃亡しようとしていたことを確信づけたらしい。

ちゃんと蒼と話をしないと。


蒼がベッドから降りるのを見て私ま彼を追いかけようと布団に手をかけたときだった。


パチンと音が鳴った。


「きゃ…な、何これ…」



蒼が指を鳴らすと、何かがどこからとなく私の両手首に勢いよく巻きつき拘束した。

冷たく重い感覚がして、慌てて布団から手を離して自分て手首を見る。



「……鎖?」


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