溺愛の檻から、逃げられない
やっと蒼さんの脚が止まったのは何回か襖を
開けて通った後だった。

着いたのは真ん中に布団が置いてあるだけの部屋。

寝室だろうか。


その中央の布団の上に優しく寝せられる。


布団の生地は素人の私でも分かるくらい触り心地が良い。


お高い物なんだろうな…。



「ちょっと…!」

寝そべるような体制の私の上に、上から覆い被さってきた。


「静かに。」


これじゃあまるで、押し倒されてるみたい…。

だめだ…この人といると私、顔が熱くなりすぎて…。

「んぅ……!?」


その勢いのまま、かぶりつかれるようにキスをされた。


突然の事で焦る私をよそに、



蒼さんは執念に私の舌を追いかけてくる。




捕まった私の舌は甘く蒼さんの舌によって
丁重に可愛がられてしまった。




どう応えたらよいか分からない私は

ただ与えられる甘い刺激に酔いひれるしかない。

「ふ……んぅ…ぁ……。」

上顎をなぞられ、自分が経験したことのないぞくぞくした感覚に襲われる。



人生初のキスでディープキスはハードが高すぎる…。
 


どこで息をしたら良いか分からない私は必死に酸素を求めた。



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