溺愛の檻から、逃げられない

怖い。

嫌だ。

お嫁になんて、ましてや蒼さんのものになんてなりたくない。


蒼さんはテレビにもたまにでてて、その名前を知らない人なんていない。


しかも、顔もすごく整っている。

でも冬華のなんだ。

何をするかわからない。

現に私を拐っているし。





「わ、わかりました。」


でも、私には承諾の選択肢しかなかった。



単に拐われた時点で嫁になるというしかないのだろうが、条件付き…

しかもそれで、美月やおばあちゃんの命が助かるというのなら異論はない。


…守ってくれるという確証はないが。


ただこれしか皆んな助かるにはこれしかないと思った。



絞り出した私の言葉に

彼は妖しく微笑むと耳元でこう告げた。



「改めて、今日から君は、俺の"もの"だから。」



彼は私の服に手をかけた。


甘くて、初めてで溶けちゃいそうな夜だった。



 
< 23 / 122 >

この作品をシェア

pagetop