溺愛の檻から、逃げられない




「お姫様抱っこが嫌なら、せめて手は貸させて。」



「んっ……。」





甘ったるい声が鼓膜を揺らして、

耳がおかしくになりそう…


まさか…この人わざとやってるんじゃ…




「顔真っ赤。」



顔を覗き込まれて、整った顔が全開に入ってきた。

その彼の口角は明らかに上がっていた。

……確信犯だ



「そんな事ないです」




顔の熱をさまそうと、必死に顔を横に振った。
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