溺愛の檻から、逃げられない
「いたた…」
「お姉ちゃん?」
見ると引っかかったのは植物…、
草花の茎だった。
その先端を見ると、小さな紫色の花が連なって咲いていた。
花火を見ていた美月がくるりとこちらを振り向いている。
やっぱり美月は可愛いな…。
今、眉をひそめて心配そうな面持ちをしている妹は、私とはまるで違う。
まるで絵に描いたような、物語の主人公みたいな可愛い顔。
童顔なのに、どこか美しく感じて。
肩まである髪は流れるように綺麗で、
風に乗せられ、暗くても
そのきらきらとした輝きが分かる。
なんで学校では地味!って感じな
おさげでメガネつけた格好してるんだろ。
そのせいで美月の可愛いさは失われてるのに…。
私には理解できない。