溺愛の檻から、逃げられない
「まあ、とりあえずこっちにおいでよ。」
彼の座っている布団のすぐ隣をぽんぽんと叩き、私に合図した。
しぶしぶながらそちらに向かい、叩いていた所より少し離れた場所に腰を下ろす。
さすがにそんな近くには恥ずかしいし座れない。
「ほーら。」
「うわっ……!」
ち、ちちち近い!
急に蒼さんの顔が目の前に…!
着物の袖を引っ張られた私は転がるように
胡座をかいている蒼さんの膝の上に乗せられた。
「近いんですけど!」
慌てて、彼の胸板を押す。
か、カチカチだ…。
多分この下には筋肉が…。
じゃなくて!