溺愛の檻から、逃げられない
「キャッ……!」
ぶつぶつ何かを言ったと思ったら、
私ごと布団に向けて横に寝転がった。
し、心臓止まるかと思った…!
彼の方を見ると、無表情でこちらを見ている。
彼の黒髪が少し目にかかっていて、そこがなんとも色気があって。
慌てて目を逸らした。
なんだかとっても悪いことをしてるらみたいに思えてきた。
「ほ、ほんとにど…んっ!」
彼の大きな手に口が塞がれてしまう。
その手は私が黙ったことを確認すると、
ゆっくりと唇の間を撫で、
そして流れるように頬に添えられた。