溺愛の檻から、逃げられない


恥ずかしさで沸騰した顔には、彼の手は随分ひんやりと感じられた。


逸らしたままの視線を恐る恐る彼に戻す。


相変わらず色気が溢れ出す彼は、ホントに目に毒だ。


先程見た時より細められた目。モデルのように通った鼻。

私なんかよりも絶対に綺麗な唇。


その全てが彼を魅惑的にしていた。


時間の流れが遅く感じる。

彼の唇はゆっくりと開いた。



「そんなに可愛い顔してると、」
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