溺愛の檻から、逃げられない


顔を耳元に近づけてくる。

離れようと力を入れても、彼の腕に阻まれてしまう。



「襲うよ?」


「っ、、!」


「……なんてね。」


腕をガバっと広げて私を離すと、彼は立ち上がった。


「ほら早くお風呂入ってきちゃいなよ。」


「……なんなんんですか。」


「さあ?」


そのにやけずらを蹴飛ばしたい衝動にかられながらも、私は部屋を後にした。



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