溺愛の檻から、逃げられない



「陽花」


はっと思い目の前を見ると、

もう行ったと思った蒼さんが私の前に屈んでいた。



そのまま視線をゆっくりと交わせる。


黒い手袋をした手に私の顎が持ち上げられる。




突然のことに戸惑っている私の唇を

流れるように奪う。




「ん……っ…、」




いきなりの事で私は上手くそれに応えられず、

ひたすら蒼さんに蹂躙される。



逃げていた私の舌を蒼さんの舌は捕まえて、甘やかに溶かしていった。




「ふっ……はぁ……はぁ…。」



今日は離れるのが離れるのが早いなと思って

油断していたところを、布団に押し倒される。

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