溺愛の檻から、逃げられない
「ひゃっあ…!」
首筋を舐められたかと思ったら、キスを落とされ、吸い上げられる。
「やめ……て…くだ…さ……」
くすぐったいのにちょっと痛い。
初めての感覚にぞわぞわした。
何度もそれを首の至るところに繰り返される。
「まあ、これくらい付ければいーか。今日はお仕事行っちゃダメだからね。」
「え…。」
まさか…バレた……?
「帰ったらお話しようね。」
形の良い唇についた唾液を手の甲でふくと
立ち上がり、襖の向こうで待っていた人と一緒に出て行った。
本当にあの人は何考えているのか分からない…。
自分の口元についた唾液を蒼さんのように
手の甲で拭った。