町空くんは無自覚な闇
町空くんはクラスの影
学校には、多くのタイプの生徒がいる。
クラスの中心的な存在の生徒がいれば、目立たないよう息を潜めている生徒だっている。
私、藍原愛由のタイプは……クラスの顔と言ったところだろうか。
くっきりした二重の目に、長いまつ毛。
白く透明感のある肌に似合う、艶のある黒くて長い髪は手入れがされていてサラサラ。
圧倒的な“美”。
美しいという文字は、私を指すためのもの。
高校生活も2年目に突入し、学校で私の存在を知らない者はいない。
そんな17歳を満喫しているところだった。
「今日も藍原さんは綺麗だな〜」
「ふふっ、ありがとう」
綺麗、美しい、かわいい。
褒め言葉は当然受け入れる。
< 1 / 22 >