町空くんは無自覚な闇
「じゃあ私は帰りますね」
「あ、ちょっと待て。さっき会議で話したんだが、最近この辺りが物騒らしくてな。何やら暴走族の集団が街で問題を起こしているみたいで、ついにウチの生徒が被害に遭ったらしい」
「え、ここの生徒がですか?なんか暴走族が近隣で暴れてるって噂は聞いたことあるんですけど……」
「警察も見回りを強化するようだし、教員も見回りをすることになったんだが……念のため、ふたりで帰ったほうがいいと思うぞ」
「えっ……⁉︎」
ふたりって、私と町空くんが……?
そんなの気まずすぎて無理だって!
先生、なに考えてるの⁉︎
思わず口に出しそうになるのを我慢し、言葉を飲み込む。