イケメン、お届けします。【注】返品不可
できるだけ湿っぽくならないように、ベッドの上のことは省き、明るい声でどんな一日だったかを説明する。
ルミさんは、頷いたり、相槌を打ったりしながら耳を傾けてくれた。
「本当に、楽しかったみたいね。でも……こう言ったら、いかにも高慢ちきなセレブみたいだけど、宵とあかりちゃんでは、生活スタイルも育った環境も、価値観も、何もかもがちがうわ。短い時間、一緒に過ごすだけなら、そういうちがいも刺激となって、気持ちを盛り上げる効果がある。けれど、長くは続かない。悪いことは言わないから、犬に噛まれたと思って忘れなさい」
ルミさんにきっぱりアドバイスされて、やっぱりそうなるだろうなぁと苦笑した。
「大丈夫ですよ。特別な一日が終われば、日常に戻らなくちゃならないってこと、ちゃんとわかっていますから。ルミさんの言う通り、大上さんとわたしでは、何もかもがちがい過ぎて、現実に上手くいくはずがありませんもん」
「あかりちゃんには、もっとあかりちゃんに合ったひとがいるはずよ」
「そうですね。いままで、社内恋愛は避けてきたんですけれど、もっと身近な人にも目を向けてみようかと思います。うちの会社、ホワイトな安定企業ですしね!」
心配いらないとにっこり笑って見せれば、ルミさんはようやくしかめ面を緩め、微笑んだ。
「わたし、明日から新店舗の候補地探しで北海道へ行くのよ。誕生日プレゼントに、カニ送るわね?」
「えっ! いいんですかっ!?」
「美味しいものをたっぷり食べて、英気を養ってちょうだい」
「ありがとうございますっ! ルミさん、大好き!」
カニは大好物だが、大げさすぎるくらいに喜んで見せたのは、下手に遠慮すればルミさんの罪悪感を刺激してしまうと思ったからだ。
そんなわたしの気持ちもお見通しのルミさんは、優しく微笑んでくれた。
「わたしも、あかりちゃんが大好きよ。だから……今度こそ、幸せになれる恋愛をしてね?」
ルミさんは、頷いたり、相槌を打ったりしながら耳を傾けてくれた。
「本当に、楽しかったみたいね。でも……こう言ったら、いかにも高慢ちきなセレブみたいだけど、宵とあかりちゃんでは、生活スタイルも育った環境も、価値観も、何もかもがちがうわ。短い時間、一緒に過ごすだけなら、そういうちがいも刺激となって、気持ちを盛り上げる効果がある。けれど、長くは続かない。悪いことは言わないから、犬に噛まれたと思って忘れなさい」
ルミさんにきっぱりアドバイスされて、やっぱりそうなるだろうなぁと苦笑した。
「大丈夫ですよ。特別な一日が終われば、日常に戻らなくちゃならないってこと、ちゃんとわかっていますから。ルミさんの言う通り、大上さんとわたしでは、何もかもがちがい過ぎて、現実に上手くいくはずがありませんもん」
「あかりちゃんには、もっとあかりちゃんに合ったひとがいるはずよ」
「そうですね。いままで、社内恋愛は避けてきたんですけれど、もっと身近な人にも目を向けてみようかと思います。うちの会社、ホワイトな安定企業ですしね!」
心配いらないとにっこり笑って見せれば、ルミさんはようやくしかめ面を緩め、微笑んだ。
「わたし、明日から新店舗の候補地探しで北海道へ行くのよ。誕生日プレゼントに、カニ送るわね?」
「えっ! いいんですかっ!?」
「美味しいものをたっぷり食べて、英気を養ってちょうだい」
「ありがとうございますっ! ルミさん、大好き!」
カニは大好物だが、大げさすぎるくらいに喜んで見せたのは、下手に遠慮すればルミさんの罪悪感を刺激してしまうと思ったからだ。
そんなわたしの気持ちもお見通しのルミさんは、優しく微笑んでくれた。
「わたしも、あかりちゃんが大好きよ。だから……今度こそ、幸せになれる恋愛をしてね?」