愛しの三味線侍
「え? でも、スタジオもうここだよ?」
そう言って横にそびえ立つビルを指差した。
そこは世界でも有名な超大手のレコーヂィングスタジオで、頭がクラクラしてきた。
きっと私と一弘では生きている次元が違うのだ。
気楽に見学したいと思って来られるような場所ではない。
「いえ、でも私なんかがこんなところに来るのはちょっと」
すっかり怖気づいてしまっている私の手を、一弘は強引に握りしめた。
その手が以外にもガッシリとしていて、ギターのあやっつているためが指先は皮が固くなっている。
努力の証である手に触れられて、振りほどくことができなかった。
「ここまで来てそれはダメだよ。みんなにも、今日は見学者が来るって伝えてるんだから」
強引に手を引かれて建物内へと足を踏み入れた。
広いエントランスの入り口には警備員が立っていて、一弘が通行許可書を提示して中へ入っていく。
受付の中には2人のキレイな女性がいて、丁寧にお辞儀をしてくる。
こんな雰囲気すら慣れていない私は常にオロオロしっぱなしだ。
自分が勤めている会社とは大違いだ。
一弘と一緒にエレベーターに乗って、目指す階へと向かう。
エレベーターまで自社と比べてしまうが、とても静かでほとんど揺れないことに感激してしまった。
自分が勤めている会社のエレベーターはもっと狭くて動き出すとガタガタと小刻みに揺れる。
そう言って横にそびえ立つビルを指差した。
そこは世界でも有名な超大手のレコーヂィングスタジオで、頭がクラクラしてきた。
きっと私と一弘では生きている次元が違うのだ。
気楽に見学したいと思って来られるような場所ではない。
「いえ、でも私なんかがこんなところに来るのはちょっと」
すっかり怖気づいてしまっている私の手を、一弘は強引に握りしめた。
その手が以外にもガッシリとしていて、ギターのあやっつているためが指先は皮が固くなっている。
努力の証である手に触れられて、振りほどくことができなかった。
「ここまで来てそれはダメだよ。みんなにも、今日は見学者が来るって伝えてるんだから」
強引に手を引かれて建物内へと足を踏み入れた。
広いエントランスの入り口には警備員が立っていて、一弘が通行許可書を提示して中へ入っていく。
受付の中には2人のキレイな女性がいて、丁寧にお辞儀をしてくる。
こんな雰囲気すら慣れていない私は常にオロオロしっぱなしだ。
自分が勤めている会社とは大違いだ。
一弘と一緒にエレベーターに乗って、目指す階へと向かう。
エレベーターまで自社と比べてしまうが、とても静かでほとんど揺れないことに感激してしまった。
自分が勤めている会社のエレベーターはもっと狭くて動き出すとガタガタと小刻みに揺れる。