愛しの三味線侍
呼吸をすることも忘れて見入ってしまう。


楽器だと言うからてっきりギターだと思いこんでいたけれど、三味線でここまですごい音が出るのだと、生まれて初めて知った。


和服姿で三味線を演奏する一弘の姿はさながらさむらいのようだ。


好きなものと一途に向き合って前進していく。


そんな姿を目の当たりにしている気分だ。


一弘の緊張感がこちらまで伝わってきてゴクリと唾を飲み込む。


それから何度かテイクを重ねて、ようやくレコーディングは終了となった。
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