旦那様は征服者~孔明編~
「んんっ!!
んぁ……こうめ…さまぁ……苦し…ん…」

車に乗るなり、牡丹を窓側に追い詰め口唇を奪い貪っている孔明。

「おい!
口唇を離すな!!」
「だ、だって…苦し…」

「牡丹。
あんま、調子に乗るなよ?」
「え……」
牡丹の口唇をなぞりながら言う孔明を、潤んだ瞳で見上げる牡丹。

「最近のお前が良い子だから、今回許可してやった。
なのに、許可すると男に声をかけられる」

「で、でも…それは私のせいじゃ…」

「お前に隙があるからだ」

「………ご、ごめんなさい…」

「言ったはずだ。
お前は、俺の所有物だと。
お前は俺に愛されて、囲われて、守られる。
だから忘れてるな!
俺の為に生かされていることを」

「はい…」



それから自宅に帰り、ベッドに直行した二人。

「牡丹…牡丹…」
「こ…めい、さまぁ……」

「牡丹…もっと、俺の名前を呼べ…!」
「こ…めい…さま…こ…めい、さ…」

「やっぱ、お前は綺麗だ…」
「んんっ…こ、めい…さま…好き……」


「俺の名前を必死に呼ぶ声も、俺のモノだって痕も、全て━━━━━━」


漸く孔明が落ち着き、ぐったりして眠っている牡丹の頭を撫でている。

煙草を取り、吸い出した。
そこに、ドアをノックする音が響いた。

「孔明様ー!」
ドア越しに、伊丹が呼びかけている。

「なんだ!」
ドア越しに返事をすると“若が来てます”と伊丹に言われ、孔明は静かにベッドから下りリビングに向かった。


「組長、お忙しいところ申し訳ありません」
孔明がリビングに入ってくると、番田がソファを立ち上がり深く頭を下げた。

「ん。
座れよ」
咥え煙草で現れた孔明は、ソファにドカッと座り、顎でソファを指した。

「失礼します」
「で?何があった?」

「リコが、こっちにいるそうです」
「………そうか」

「組長に会いたがってます」

「……はぁ…」
番田の言葉に、ため息をつく。

「一度、会っておいた方がいいかと」
「そうだな」

「リコのことです。
勝手に、牡丹さんに会いに行くとも限らない」

「………わかった。用意してくる」

そう言って立ち上がった、孔明。
「遥大、牡丹には仕事っつとけ!」

「はーい」
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