旦那様は征服者~孔明編~
檻の中の獣
「孔明~!久しぶりぃ~」
牡丹が籠の中の鳥なら、孔明は檻の中の獣だ。
牡丹と住んでいる家から出ると、まさに獣のように恐ろしい。
本能のままに、噛みつき相手を殺す。
会員制のレストランに向かうと、個室に入るなり、リコが抱きついてきた。
「おい」
「え?あ!ごめんねー!」
降参という風に、両手を上げリコが離れた。
「お前、調子に乗るなよ」
「わかってるわ。
殺されないように、有益な情報持ってきたわよ」
「だったら、早く言え!」
席に座り、煙草を咥えた孔明。
すかさず、リコがライターを出し火をつけた。
リコは高級クラブのママで、孔明にかなり入れ込んでいる。
その為、クラブで得た情報などを孔明に教えているのだ。
「情報は、◯◯ホテルのスイートルームにあるわ」
「は?」
「貴様、何を……!!」
孔明と番田が、フリーズする。
「一晩だけでいいの。
付き合って?
孔明、結婚してから全く付き合い悪くなったから」
「断る」
「どうして?
…………まさか、奥様の為なんて“普通の旦那様”が言うようなこと、言わないわよね?
花神組・組長。皇木 孔明様」
「………わかった」
「ほんと!?嬉しい!」
「遥大、車を回せ」
「で、でも…」
「遥大!!俺に口答え?」
「す、すんません!」
パタパタと伊丹が出ていく。
「私、化粧室に行ってくるわね!」
鼻歌でも歌う勢いでリコは、個室を出た。
「組長」
「あぁ。
もう……いいよな?」
「はい。
先代組長への義理はもう十分返してますよ」
「あと、且頼。
━━━━━━」
孔明は、番田に耳打ちした。
腕に絡んでくるリコと、伊丹の車に乗り込む。
煙草を咥えると、リコが火をつけた。
そこに、伊丹のスマホが鳴り響く。
「あ、孔明様。牡丹さんからです」
「俺が出る」
「すみません」
伊丹が孔明にスマホを渡す。
「牡丹?」
『え!?孔明様!
嘘!!孔明様だぁー!嬉しい!』
「どうした?」
『あ、テーブルに仕事に出てるから何かあったら電話してくださいって伊丹さんからのメモがあったんです。
それで電話を……』
「そうか。で?どうした?」
『下のコンビニに行きたいなと思って…』
「何故?」
『あ、えーと…』
「牡丹、言え!」
『あ、は、はい!
彩名が来てて、会いたいなと思って』
「………」
『あ!やっぱ、ダメですよね!?
いいです!
明日学校で会えるし、お断りします!』
「…………わかった」
孔明は髪をかきあげ、天井を見つめて言った。
牡丹が籠の中の鳥なら、孔明は檻の中の獣だ。
牡丹と住んでいる家から出ると、まさに獣のように恐ろしい。
本能のままに、噛みつき相手を殺す。
会員制のレストランに向かうと、個室に入るなり、リコが抱きついてきた。
「おい」
「え?あ!ごめんねー!」
降参という風に、両手を上げリコが離れた。
「お前、調子に乗るなよ」
「わかってるわ。
殺されないように、有益な情報持ってきたわよ」
「だったら、早く言え!」
席に座り、煙草を咥えた孔明。
すかさず、リコがライターを出し火をつけた。
リコは高級クラブのママで、孔明にかなり入れ込んでいる。
その為、クラブで得た情報などを孔明に教えているのだ。
「情報は、◯◯ホテルのスイートルームにあるわ」
「は?」
「貴様、何を……!!」
孔明と番田が、フリーズする。
「一晩だけでいいの。
付き合って?
孔明、結婚してから全く付き合い悪くなったから」
「断る」
「どうして?
…………まさか、奥様の為なんて“普通の旦那様”が言うようなこと、言わないわよね?
花神組・組長。皇木 孔明様」
「………わかった」
「ほんと!?嬉しい!」
「遥大、車を回せ」
「で、でも…」
「遥大!!俺に口答え?」
「す、すんません!」
パタパタと伊丹が出ていく。
「私、化粧室に行ってくるわね!」
鼻歌でも歌う勢いでリコは、個室を出た。
「組長」
「あぁ。
もう……いいよな?」
「はい。
先代組長への義理はもう十分返してますよ」
「あと、且頼。
━━━━━━」
孔明は、番田に耳打ちした。
腕に絡んでくるリコと、伊丹の車に乗り込む。
煙草を咥えると、リコが火をつけた。
そこに、伊丹のスマホが鳴り響く。
「あ、孔明様。牡丹さんからです」
「俺が出る」
「すみません」
伊丹が孔明にスマホを渡す。
「牡丹?」
『え!?孔明様!
嘘!!孔明様だぁー!嬉しい!』
「どうした?」
『あ、テーブルに仕事に出てるから何かあったら電話してくださいって伊丹さんからのメモがあったんです。
それで電話を……』
「そうか。で?どうした?」
『下のコンビニに行きたいなと思って…』
「何故?」
『あ、えーと…』
「牡丹、言え!」
『あ、は、はい!
彩名が来てて、会いたいなと思って』
「………」
『あ!やっぱ、ダメですよね!?
いいです!
明日学校で会えるし、お断りします!』
「…………わかった」
孔明は髪をかきあげ、天井を見つめて言った。