旦那様は征服者~孔明編~
【彩名へ
ここに、本当のことを書いておく。
皇木 牡丹は、花神組・組長の女だ。
俺も最初疑ったが、秋雨の情報は確かだ。
なんで彩名に近づいたかは知らない。
でも、警戒しろよ!
もしかしたら、お前も殺されるかもしれないから。
どうか………
彩名は、幸せになれよ!
俺がいなくても、幸せになってくれ!
彩名。
大好きだよ!
誠人】
牡丹の、便箋を持つ手が震えている。
「牡丹、ずっと騙してたの?」
「違う!!」
「じゃあ、どうして!!?」
彩名は涙が溢れ、顔がぐちゃぐちゃだ。
「嫌われたくなかったから」
「でも!!
でも!私達、親友でしょ!?」
「そうだよ!」
「だったら、なんで!!?」
「私、施設にいる時に孔明様に出逢ったの。
その時から、大好きだった。
中二の時かな?
孔明様に、プロポーズされたの。
その時に約束させられた。
“俺だけの所有物になれ”って。
私、それを受け入れた。
孔明様の為に生きていこうって。
でも、高校に入学して彩名が声をかけてきてくれて、初めて仲良くなりたいって思った。
それまで友達いなかったし、かといって欲しいとも思ったことなかった。
でも、彩名のことは“仲良くなりたい”って思ったの。
だから、孔明様をなんとか説得して仲良くなった。
でも段々……罪悪感みたいなものが出てきた。
話さなきゃ、話さなきゃって思うのに、嫌われたくなくて言えなかった。
ごめんね、彩名」
「……………誠人、もういないんだよね?この世に」
「………」
無言の牡丹に、彩名は察する。
「━━━━人殺し!!!」
「彩名…」
「人殺し!!!」
「ごめん!」
「人殺し!!!」
「ごめん!」
牡丹は、それしか言えなかった。
必死に頭を下げ、謝罪の言葉を繰り返す。
次第に彩名が黙り、ペタンと項垂れるように座り込んだ。
「彩名!!」
「触らないで!!」
駆け寄り、肩に触れた牡丹を振り払う。
「彩名…」
力なく、手を下ろした。
「…………んでよ…」
「え?」
「死んでよ!!!」
彩名が、ポケットからナイフを取り出す。
そして迷いなく、牡丹の腹に向かって突き刺した。
ここに、本当のことを書いておく。
皇木 牡丹は、花神組・組長の女だ。
俺も最初疑ったが、秋雨の情報は確かだ。
なんで彩名に近づいたかは知らない。
でも、警戒しろよ!
もしかしたら、お前も殺されるかもしれないから。
どうか………
彩名は、幸せになれよ!
俺がいなくても、幸せになってくれ!
彩名。
大好きだよ!
誠人】
牡丹の、便箋を持つ手が震えている。
「牡丹、ずっと騙してたの?」
「違う!!」
「じゃあ、どうして!!?」
彩名は涙が溢れ、顔がぐちゃぐちゃだ。
「嫌われたくなかったから」
「でも!!
でも!私達、親友でしょ!?」
「そうだよ!」
「だったら、なんで!!?」
「私、施設にいる時に孔明様に出逢ったの。
その時から、大好きだった。
中二の時かな?
孔明様に、プロポーズされたの。
その時に約束させられた。
“俺だけの所有物になれ”って。
私、それを受け入れた。
孔明様の為に生きていこうって。
でも、高校に入学して彩名が声をかけてきてくれて、初めて仲良くなりたいって思った。
それまで友達いなかったし、かといって欲しいとも思ったことなかった。
でも、彩名のことは“仲良くなりたい”って思ったの。
だから、孔明様をなんとか説得して仲良くなった。
でも段々……罪悪感みたいなものが出てきた。
話さなきゃ、話さなきゃって思うのに、嫌われたくなくて言えなかった。
ごめんね、彩名」
「……………誠人、もういないんだよね?この世に」
「………」
無言の牡丹に、彩名は察する。
「━━━━人殺し!!!」
「彩名…」
「人殺し!!!」
「ごめん!」
「人殺し!!!」
「ごめん!」
牡丹は、それしか言えなかった。
必死に頭を下げ、謝罪の言葉を繰り返す。
次第に彩名が黙り、ペタンと項垂れるように座り込んだ。
「彩名!!」
「触らないで!!」
駆け寄り、肩に触れた牡丹を振り払う。
「彩名…」
力なく、手を下ろした。
「…………んでよ…」
「え?」
「死んでよ!!!」
彩名が、ポケットからナイフを取り出す。
そして迷いなく、牡丹の腹に向かって突き刺した。