旦那様は征服者~孔明編~
屋敷に帰ると、バスルームに直行する。

これは、決まりだ。

“外から帰ったら、お前についている俺以外の他人の全てを洗い流せ”
と、孔明が言ったから。

そして牡丹は、孔明の背中を流す。

「いつ見ても、綺麗…」

孔明は背中と左胸に登り竜と牡丹の花の刺青を彫っている。
その刺青を見て、牡丹はうっとりして言った。

孔明が、牡丹と初めて逢った時“牡丹”という名前に反応したのも、その為だ。

牡丹は、自分が孔明の身体に刻み込まれているようで、とても幸せな気分になるのだ。


「牡丹」
「はい」
「これ、どうした?」
「へ?」

孔明が指差した腕に、赤い内出血があった。

「キスマークでは?孔明様がつけた」
「俺はつけてない」
「え?
私達、今朝も愛し合ったじゃないですか?
その時のモノでは?」

「違う。
言っておくが、俺はお前の身体の何処に痕をつけたか全て把握している」

「え!?そ、そうなんですか!!?」
「あぁ」
「す、凄い…」
「そんなことより、これは?」
「ごめんなさい、わかりません」

「まさか、誰かに触られた?」

「ま、まさか!学校では、彩名としか話してません。今日は四時間目からだったし、昼休みはずっと彩名といたし………あ!」
「何?」
「体育」
「ん?」
「ボールが当たりました。それかも?」

「は?お前は、見学だろ?」
「はい。でも、ボールが飛んで来て……あ、でも軽くですよ!ほんとに、軽く!ポンッて!」

「誰に?」
「わかりません。ボーッとしてたから」

「…………まぁ、いい。
このよくわからない痣にさえ、嫉妬で狂う」
孔明は、その内出血の上に口唇を押し当てるように落とし、吸い付いた。

「んんっ…!!」
「牡丹、もしかして感じてんの?」
「だ、だって…/////」

「フッ…可愛いな……
牡丹。ほら、おいで?」
孔明が牡丹に両手を広げる。

「え?ここで?ですか」

「あぁ。
何?俺に口答え?」
「あ、いえ!そんなこと……」

牡丹はゆっくり、孔明の上に跨がった。
繋がり“んあっ!!”と反応して牡丹がブルッと震えた。

「フッ…!もしかしてお前…イッた?」
「ん…はぁ……ごめん…なさ…////」

「ほんと…可愛い奴…!」
そう言った孔明は、牡丹の口唇を塞ぎ貪った。
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