クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
入院手続きを済ませ車イスで部屋を移動する。
「彼氏さんイケメンですね。
背も高くてモデルみたい。どこで知り合うんですか?羨ましい。」
私と同じくらいの看護師さんがはしゃぎながら話しかけくる。

こんなとこでも先輩はもてちゃってるなぁと困り顔で答える。
「中学の先輩なんです。」

「中学からの付き合いなんですか⁉︎」
興奮気味に聞いてくる。

「いえ。こっちに来てから偶然再会したんです。」

「凄い。なんかドラマみたい。」
キラキラした瞳でもっと知りたいとばかりにみてくる。
苦笑いしながら小春は話を逸らそうと話しかける。

「あの、お部屋は個室なんですか?」
多分、しばらく帰りそうも無い修哉の事を思って聞いてみる。
「彼氏さんの方から特別室をと希望がありましたので、そちらに向かってます。」

「と、特別室ですか⁉︎」

「うちの病院で1番広いお部屋なのでお風呂トイレ完備ですし、ホテル並に綺麗です。
実は私も初めて入るので、ちょっとワクワクしてます。」

「そんなお部屋大丈夫ですか⁉︎
私なんて泊まっちゃって。」

「彼氏さんの希望ですから。」

修哉さん、そんな1泊ぐらい普通の部屋でも良かったのにと申し訳ない気持ちになってくる。
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