クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
2人のこれから
あれから1年。
私はお薬を飲み続け貧血は改善され、元気に美容師の道を歩んでいる。
修哉さんはCDアルバムが無事リリースされ3週続けて首位をキープしている。
仕事は忙しいけどちゃんと時間で終わるし、修哉さんも休みを合わせてくれるから、2人の時間も大切に出来る。
結婚はと言うと、
退院してからすぐに2人で婚姻届にサインはした。
修哉さんの叔父さんにも会いに行き挨拶も済ませた。
いつでも提出出来るようになっているが、まだ一歩踏み出してはいない。
それと言うのも、
私が一人前のスタイリストになって修哉さんの髪が切れるようになるまで待ってもらっている。
そしてついに今日、スタイリストの昇進試験を受け、ついに合格を頂きました。
「おめでとう。小春ちゃん、休み明けからスタイリストとして頑張ってね。」
「ありがとうございます。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。」
コスモスとかすみ草の淡い紫色の花束を渡されて、感無量で微笑む。
「今日はみんなでお祝いにって繰り出したい所だけど、彼氏が待ってるんでしょ。」
オーナーがウィンクして小春を見る。
「すいません。もし、不合格でも2人でご飯食べにいこうって約束してるんです。」
「いいよ、いいよ。
ハイスペック彼氏には敵わないからね。
また、来週にでもお店で打ち上げパーティしましょう。」
「よろしくお願いします。では、お先に失礼します。」
小春は足取りも軽く、修哉と待ち合わせした駅へと急ぐ。