クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
コンビニバイトは今日は3人体制だった。

片山くんに、メガネ女子のかなちゃん。かなちゃんは9時までで、近くの短大の学生さん。
「櫻井さん。片山さんに聞きましたよ!イケメンさんといい感じだって!
私そういう恋バナ大好きなんです。」
目をキラキラさせて近づいてくる。

なんでも彼女は漫画オタクで自分で漫画も描いちゃうくらいらしい。前に片山くんが教えてくれた。
「他人の恋バナでご飯三杯行けちゃいます!」
キラキラが眩しい。
と思いながら、小春は笑って軽く交わそうとする。
「あの人は中学の先輩だよ。
別に付き合ってる訳じゃないの。
ただ、私がしっかりしてないから、身内みたいに心配してくれてるだけだよ。」

さっと離れようとするが、後をついてくる。
「マンガのネタになりそうなので、是非お話しを。」
ワイドショーのリポーターみたいに手をマイクがわりにして差し出してくる。
「ノーコメントでお願いします。」

この後、何度もノーコメントでかわし、やっと9時になってかなちゃんは、
「イケメンさんに会いたかった」と言いながら帰っていった。

9時半過ぎ

「あっ。先輩来ましたよ!!」
素早く修哉を見つけた片山のテンションが上がる。
そっと外を覗くと、
この前と同じベンチに座って片手にタブレットを持って何やら仕事を始める。
チラッとこっちを見て、手を軽く振ってくれた。ふっと微笑んだ気がする。

「俺、今日も差し入れ行ってきます!」

「いやいやダメだって、片山くん仕事中」

まったく私の意見は聞かずまた、微糖のコーヒーを手にする。
「あっ!先輩、コーヒーはブラックしか飲まないんだって。片山君に言っといてって言われてたんだ。」
「マジっすか。了解です!
やっぱ出来る男はブラックかぁ」
1人で納得してすかさずブラックを握ってレジに向かい、今日1番の早技で外に走っていく。
いつか、店長に見つかって怒られちゃうんだからねー。っと心で呟いた。

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