クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
夕飯は電車で最寄りの駅に戻り、車で行く事にする。

バイト先のコンビニを横目に通り過ぎ、
広いバイパス沿いの焼き鳥屋さんを目指す。

そこは、バイト仲間の片山くんお勧めのお店で、なんでもつくねが絶品らしい。
先輩にそんな話しをすると、

『アイツどっかから湧いて出そうだな』
と苦笑いして言っていた。

お店の中はそこそこの繁盛ぶりで、私達は奥の個室席に通された。

「えっ!予約してたんですか?」
このお店に決めて来るまでの短時間の間に、どうやら先輩が場所を予約していたらしい。
いつ?どのタイミングで⁉︎

小春は驚く。

「いや。片山にメールしただけだよ」

片山くんが気を利かせてくれたんだ。
ちょっと感動する。
いつの間に、2人はメールのやり取りをするぐらいに仲良くなってたんだろ?
私でさえメールアドレス知らないのに。

「いつの間にアドレス交換してたんですか?」

「アイツ、バイト中もメールしてくるから今度注意しといて。」
笑いながら先輩が言う。

迷惑してる感じではないから大丈夫かな?

きっと、かなちゃんあたりに自慢してそうだな片山くん。そう思ってふふっと笑う。

「何?片山思い出して笑うとか、無しだからな」
ムッとした顔をして先輩が言う。

「片山君きっと嬉しかったんだろうなぁって思ったらつい」
ふふっとまた小春は笑った。

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