クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜

修哉side



実は片山とは、セクハラ野郎の事が心配だった為、何があったらとメールを繋げていた。

片山には『怪しい感じの男が小春に近づいたら即メールしろ』っと伝えてあるのみだ。

そしたら、
今日の小春の髪型やら服装やらを逐一報告してくるようになったが…

あんまり、小春の事をじろじろ見るなとくぎは刺しておいたが、お前が怪しい男になるな。と一言言いたい。

その、片山からさっき気になるメールが届いた。

(夕方、小春さんを訪ねて変な客が来ました。サングラスをした、細身の男です。『そんな人は働いていません』と伝えておきましたが、また来るかもです)

セクハラ野郎は、バイト先まで調べて小春に近づこうとしている。

あの手紙も小春に隠し通せそうも無いな。

小春には必要以上に怖がらせたく無いが、自分の身を守る為にも警戒心は持っていて欲しい。

焼き鳥屋で片山お勧めとやらのつくねを食べて、小春はニコニコ嬉しそうに食べている。

小春の家に転がり込んでから
そういえば、酒を飲んで無かったと思い、俺はビールを、小春は甘いサワー系を注文して2人で乾杯した。

どうやら小春はお酒に弱いらしく、グラス半分も飲んで無いのに頬をピンクに染めてなんとなくふわふわしている感じがする。

これは今後外で飲むのはやめた方が良さそうだな。ふわふわした小春は無防備で可愛すぎる。
「先輩、 このつくね、すっごくふわふわして美味しいです。食べてみてください。」

ふわふわで美味しそうなのは小春なんだが、と思いながらつくねを食べた。

今日、あの手紙を見せるのは無理そうだな。

「小春、先輩呼びに戻ってるからペナルティ決定だからな。」
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