クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
朝、温かな温もりを感じて目を覚める。
ここは何処?一瞬固まる。
天井を見つめてボーっと考える。

確か修哉さんの家…昨日お風呂に入ってから…ソファでTV観てて…アレっ⁉︎

お布団?ベットの上?
ふと横を見て驚く!
しゅ修哉さん!! えっ!!
声を出しそうになって慌てて口を手で押さえる。
一緒に寝てたの⁉︎

なんかこんな事前にもあったけど、修哉さんはまだ寝てる。と言うか、抱きしめられてる⁉︎
お腹に腕が回っている事に気づいて慌てる。どうやって起こさず抜け出せる?
そーっと腕を掴んで持ち上げてその隙に身体を起こす。

「きゃっ!!」
起き上がった途端にまた抱きしめられ逆戻り。
「…何処行くんだ?」
眠そうな修哉は目も開けずに聞く。

「おはようございます…。そろそろ朝の支度しないと…」

修哉さんは朝が弱い。でも一緒に寝てたら遅刻しちゃう。

「送ってくからまだ大丈夫だ。」

「今日はタクシーで行きます。毎日送ってもらうのは申し訳ないですし」

「昨日言ったよな。いつまで他人行儀なんだって。小春はもっと俺に頼るべきだ。」

目をゆっくり開けて修哉さんが言う。顔が近くて戸惑う。

「でも、修哉さんと出る時間が違いますし、朝はのんびり寝てて欲しいんです。」

俯いて話すと、顎を持ち上げられ強制的に目を合わせられる。

「ちゃんと、無理な日は言うから。今日は大丈夫」

チュッと軽くキスされて驚く。
なんだろうこの大人な余裕。私との経験値の違いが天と地ぐらいありそうだ。

「じゃあ。お願いします…」
結局折れるしか無くなる。

「あの、そろそろ起きないと朝ごはん作れなくなっちゃうから」

「昨日もらったパンとおにぎりがあるからそれでいいよ。後30分はこのままで。」

足でもぎゅっとされて身動きが取れない。

「し、修哉さんそう言えば、私ベッドかお布団運び込んでもいいですか?何処で寝れば?」

「ダメ。小春は俺の安眠の為にもこのベッドで寝る事。」

えっ。毎日なんて緊張しちゃってとても無理。

「えっ。でも私寝相悪いかもしれないので、
やめた方がいいですよ。」

「大丈夫。ずっと観察してたけど、いつも小さく丸まって可愛く寝てるから」

「いつも見てたんですか⁉︎」
目を丸くする。

「彼氏の特権だろ。
それに俺、寝起きも悪いけど寝つきも悪いんだ。なのに小春が一緒だとすぐ寝れる。
家賃の代わりに添い寝でどう?」

これはいつもの駄々っ子の修哉さんだ。
こんな時の修哉さんに敵いっこない。

しばらくベッドで捕まったままじっとしているしか無さそう。

人肌の温もりが心地よく、二度寝しそうになった頃

ピンポン

玄関チャイムが鳴る。
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