クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
落ちつけ私、
修哉さんが悪戯っ子の顔してる時は気をつけなくっちゃ。

「せ、修哉さんの知り合いの弁護士さんはどんな人ですか?」

話題を変えたくて慌てて話しかける。

「泉って言うんだけど、
頭が切れて話が分かる奴だ。
ただ、女癖が悪くて手が早い。
だから出来るだけ小春に会わせたくなかった。」
髪を無造作にガシガシしてちょっと苛立ちを見せる。

「大丈夫です。
私そう言う人苦手なので、
出来るだけ近づきませんから。」

修哉さんの心配を少しでも解消させるように、ふふっと笑ってみる。

「釘は差しといたけど。
実は既に動いてもらってはいるんだ。
相手の人となりを知りたかったから。小春にこれ以上聞くのも躊躇われたし、

内緒にしてて申し訳なかった。」

そうだったんだ。

「なんか、
気を遣わせちゃって逆にすいません。」

「いや、いつかは折り合いをつかせなくちゃとは思ってたから、
遅かれ早かれアイツの手は必要だろうと思って、いろんな面から調べてもらってたんだ。」
私なんか1人でめそめそしてるだけで何も動けなかったのに、修哉さんは大人だなぁ。
他人事の様に感心してしまう。

「修哉さんが居てくれて心強いです。
私1人だったらいつまでもめそめそしてるだけできっと何も動き出せなかった…。」

「小春は大丈夫だよ。
ちゃんと1人でも頑張って前を向こうとしてた。
偉いよ。負けたく無いって頑張ってただろ。
でも、頑張り過ぎて倒れそうで心配なんだ。もっと俺を頼って、寄りかかって、心配させてくれ。」
< 90 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop