さよならの向こうにある世界
私の分析によると、あのおじいさんは後光の差した彼の祖父だ。これまで何度も「守、もうタバコはやめんか」とか「守、もっと野菜をしっかり取れ」などとブツブツと文句を言うおじいさんを見てきた。彼のことを『守』と呼ぶくらいだからきっと彼の名前は守さんで、おじいさんは孫の健康が気になって仕方がないのだと思う。何が理由で成仏できずにいるのかまでは分からないけれど、とりあえずおじいさんの未練は守さんにありそうな気がする。
たくさんいる常連客の中で、なぜ私がこの二人についてこんなにも色んなことを考えているかというと、彼らは私にとって少し特別な存在だからだ。