財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
「注文書わかりますか?」
大手花屋の社長なのだから、いちいち注文販売業務には携わっていないだろう。
《もちろんですよ。パソコンからデータを確認しますから》
「ご迷惑おかけします。すみません。今回のことで母が胃潰瘍になってしまって」
《胃潰瘍に!?》
驚きの声をあげる我妻社長に、薬で治療できるのでと慌てて言った。
《そうでしたか……軽症で良かった》
「あの……それで……。我妻社長のご提案を受け入れようかと……」
思い切って話を振ると、電話の向こうで嬉しそうな声がした。
《本当ですか? 紗世さん、結婚を考えてくれると?》
「……はい」
《ありがとうございます。ではさっそく夕食でもいかがですか? あ、家元の病気でそれどころじゃないかな》
「いえ、金曜日だったら私のお稽古がないので、大丈夫なんですが」
《わかりました。金曜日に食事に行きましょう》
我妻社長は私の時間の都合を聞き、十八時に東京駅近くのホテルのレストランで待ち合わせることになった。
通話を切って、工藤さんがじっと私を見つめているのに気づく。
「紗世さん、なにか提案を受けていらっしゃるんですか?」
「先日結婚を前提にお付き合いを申し込まれたんです。いい方ですし、前向きに考えてみようと思っています」
大手花屋の社長なのだから、いちいち注文販売業務には携わっていないだろう。
《もちろんですよ。パソコンからデータを確認しますから》
「ご迷惑おかけします。すみません。今回のことで母が胃潰瘍になってしまって」
《胃潰瘍に!?》
驚きの声をあげる我妻社長に、薬で治療できるのでと慌てて言った。
《そうでしたか……軽症で良かった》
「あの……それで……。我妻社長のご提案を受け入れようかと……」
思い切って話を振ると、電話の向こうで嬉しそうな声がした。
《本当ですか? 紗世さん、結婚を考えてくれると?》
「……はい」
《ありがとうございます。ではさっそく夕食でもいかがですか? あ、家元の病気でそれどころじゃないかな》
「いえ、金曜日だったら私のお稽古がないので、大丈夫なんですが」
《わかりました。金曜日に食事に行きましょう》
我妻社長は私の時間の都合を聞き、十八時に東京駅近くのホテルのレストランで待ち合わせることになった。
通話を切って、工藤さんがじっと私を見つめているのに気づく。
「紗世さん、なにか提案を受けていらっしゃるんですか?」
「先日結婚を前提にお付き合いを申し込まれたんです。いい方ですし、前向きに考えてみようと思っています」