財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
車の前を回って京極さんが運転席に着座する。彼はカーナビに目もくれずにアクセルを軽く踏んで走らせた。
革の匂いのする座席から、女性ものらしきフローラルムスクの香りがする。小玉さんがここに座っていたのだろうから無理もない。
「代官山で飲んでいたのか」
「はい。友達の自宅がこの近くで」
「一緒にいた男女?」
今更だけど、あのとき私が三人の中にいると京極さんは瞬時にわかったんだと思った。
「高校からの友人で大学も一緒なんです。ふたりは付き合っていて」
彼らが交際しているなど、京極さんが特に知りたい話題でもないだろう。
「紗世に彼氏はいなかったのか?」
突然思わぬ質問をされて動揺した
「え? 彼は……いないです」
「それはすまない。大学生だからいると思ってたよ」
私に彼がいても京極さんはまったく気にしていない。それが胸のモヤモヤを増長させる。
「大学生でも全員がいるわけじゃないですよ」
革の匂いのする座席から、女性ものらしきフローラルムスクの香りがする。小玉さんがここに座っていたのだろうから無理もない。
「代官山で飲んでいたのか」
「はい。友達の自宅がこの近くで」
「一緒にいた男女?」
今更だけど、あのとき私が三人の中にいると京極さんは瞬時にわかったんだと思った。
「高校からの友人で大学も一緒なんです。ふたりは付き合っていて」
彼らが交際しているなど、京極さんが特に知りたい話題でもないだろう。
「紗世に彼氏はいなかったのか?」
突然思わぬ質問をされて動揺した
「え? 彼は……いないです」
「それはすまない。大学生だからいると思ってたよ」
私に彼がいても京極さんはまったく気にしていない。それが胸のモヤモヤを増長させる。
「大学生でも全員がいるわけじゃないですよ」