君色の空
――蓮――



「それで……?」


亜美のお母さんが俺にそう聞く。


「……実は……僕は、癌なんです…。」



…俺は、そう亜美のお母さんに言った。



俺もつい最近知ったこと。



亜美とヤった後、知った。



……俺は、亜美が妊娠してたら…





亜美を独りにせんで済む思ってた。




癌なんか、今じゃ不治の病とちゃうし、治るって医者からも言われた。



けど、俺は自分の体の事は…



自分で分ってるつもりや。




もう永く生きられんことくらい分ってる。


医者がどんな言葉をかけても、俺は……




そう思ってるんや。

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