君色の空
俺が、癌やって事知った時、一番に頭に浮かんだんは



親父でもなく、オフクロでもない。



ましてや、千秋でもない。




……俺が生涯、護ってくって決めた……



亜美の泣き顔やった…。



亜美はすぐ泣くからなあ…



放っとかれへんねん…。



なぁ、千秋…お前もそうやったんやろ…?



ほんまは、兄貴の俺でさえ譲りたなかったんやろ…?


恋愛なんか、ただメンドイだけや思てた…。



恋愛なんか、ただ意味のないものや思てた…。



恋愛如きで泣いたりすんの見てると、あほらしって本気で思えた…



けど、今やったら…




本気の恋愛をしてる今やったら…


本気で護りたいって女おる今やったら…



分かるで…。



恋愛て、こんな素晴らしいもんやってこと。



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