君色の空
「…蓮君…



分かったわ…もう…分かったから……



子供を産んでもいいわ…



いずれ、蓮君がいなくなったとき、一番苦しみ悲しむのは亜美ですもの…。


その時、護りたい人がいれば…母親は強くなれるから…私も、そうだったもの。」



そう言って、亜美のお母さんは瞳にうっすらと涙を浮かべながら、にこっと笑った…。




俺は、こんなに大切な人を想って流す涙は…



どうしてこんなに澄んでいて、綺麗なのだろう…と


見とれてた。



亜美のお母さんが…赤ちゃんを産むことを…




承諾………してくれた……?




「……あ、…ありがとう…ございますっ…」



「さぁ、早く亜美の所へ…行ってあげて



蓮君。…亜美の事、よろしく頼むわね…」


「はい…」



俺は、亜美の部屋へと、吸い込まれるように道を進んで行った。



亜美の部屋がどこかもしらへんのに…愛の力って



偉大で絶大やなと…改めて思った。



コンコンッ…



「………ん………?どぉぞぉ…」



寝てたんやな…亜美。


亜美の声を聞いただけで、亜美が今まで何してたかとか分かるとか…俺って凄すぎやな…(笑)



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