君色の空
「はぁ…はぁ…はぁはぁ……」


家から全力疾走15分……



やっと、S町の廃屋に着いた…。





ガラガラっ……




私は、さびついている横開きの重たい扉を



力いっぱい横にスライドさせて……


私は、廃屋の中へと入った。



「よぉ!久し振りじゃねぇか!」



そこにいたのは…




莱斗と、他男数名…




それに……







麗香さんも。



「この子、あなたにとって大切な子なんでしょ?」


麗香さんは、珊瑚の首元にナイフを突きつけ…



私に見えるようにして言った。



「はい!!大切なんです!!だから返して…



何でもするからっ!!」


「何でもする……ねぇ。


じゃあまず、この子を殺されたくなかったら



何も言わず殴られてもらいましょーか?女優サン?」



「……分かりました…珊瑚に手を出さないと約束してくれるのなら。」


私は極力お腹を腕でガードしながら



男たちが持っている金属バットで



何十発も殴られた…




おかげで、気は遠くなりそう…




「おやおや…もう終わり?麗香つまんなぁ~い♪



ハハハ!!楽しいっ!!」



狂ってる……麗香さんは…




蓮を取り返したいがために…



私を痛めつけて…私さえいなければ


蓮は自分のものになると思ってる……



そんなこと……


ある筈ないのに……。





気を失う寸前で…




耳に聞こえてきた愛しい人の声…




「亜美っ!!!!!!!!!


お前ら何してんねんっ!!!!!!!」



蓮……蓮の声だ……




そして、それから記憶が途切れた…。




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