君色の空
コンコンッ…



悲しみに浸っていた私の耳に届いた



ノック音。


「はい…どうぞ。」


ガチャ。


開いたドアの向こうにいたのは…



「……蓮…」


蓮だった。


「亜美、もう起きてて平気なんか?」


心なしか、いつもより冷たい口調な蓮。



「…うん。もう平気。…ごめんね…蓮…


赤ちゃん……産んであげられなかった…。」


罪の意識からか、俯きがちに蓮に言った。




次の瞬間……


蓮が想いもよらぬ事を言い出すなんて…この時の


私は…知らなかった。



「なぁ、亜美…」


蓮が俯く私の名前を呼んだ。


「何…?蓮…」



愛するあなたとの……


「俺ら……


もう終わりにせぇへん…?」


別れが来るなんて思わなかった…。



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