君色の空
「何言ってるの…?」



言葉の意味は分っていた…



でも、蓮が私に言うなんて考えられなくて…





考えたくなくて…



まるで……


「せやから、終わりにしようゆうてんや。


そうゆうコトやから。」


私じゃない誰かに言っているみたいな…



冷たい口調……。



「待っ――」

バタン!


蓮は別れを告げると…


病室を出て行ってしまった。



「蓮……っ…どうして…っ…蓮っっ!!」

もう、帰って来る筈のないあなたに…



もう、開く筈のない扉に向って私はそう叫んでいた…



何度も……何度も……。





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