君色の空

回復…

――蓮――



「さて、今日は…抗がん剤と、放射線治療を行いますね。木村さん。」


笑顔でそう俺にゆうてくる女医。


「はい。」

俺も極力笑顔で返す。



「なぁ、先生…俺の病気…治るんやでな??」


「もちろんよ。どうかしたの?」



「いや!そうゆう訳とちゃうくて!!何か、細かい説明もないし…ちょっと不安になったってゆうか…」


「…そうね…。


木村さんの癌は……胃がんです。」


「…胃がん…?」


「胃がんの場合、その部分を摘出するか…また放射線治療等で治療するかの二つになります。


…木村さんの、胃がんはまだ小さいので

放射線治療と抗がん剤で充分治りますよ。


…あ、まさか…自分の癌は治らない癌と思って


彼女さんと別れたとか…?」


にやついて聞いてくる女医。


「はぁあああああああああ?!」



俺は、完全なあほや……



胃がんかいっ!!!!!

しかも小さいんかい!!


しかも治るんかい!!!



「……あれ…本当に別れちゃったんですか…。

まぁ残念って事で!木村さんなら許してくれますよ!


彼女さんも!さて、話しは戻るんですが…


小さかった癌はもう殆ど、形がないので…


あと、2回程放射線治療と抗がん剤で治療したのち


再発するかどうか分りませんので、そのまま定期的に通院ということになります。」


はぁ……。


< 210 / 267 >

この作品をシェア

pagetop